人生アーカイブ

日々のできごとを覚えていられない人間のブログ

Caseの話

野上恭平30歳!おめ

 

CreepyNutsのニューアルバム『Case』を毎日聞いている。先日のラジオで2人が話していたアルバム制作の話がなんか刺さりまくってしまって、TFで聞きまくって書き起こしメモを取っていたのでただただ記録用に残しておく。

 

2021.8.3 CreepyNutsのオールナイトニッポンゼロにて「Case」の話。

松:フル(アルバム)なんか絶対できないと思ってた。

R:でもしといてよかったな。やっぱその時、この時期じゃないとみたいな。今曲にして歌っとかんと勿体ない感情がいっぱいあったからな。

松:完全にその時考えてることが歌詞にフルに。やっぱ変わるもんね、時期によって。自分の考え方とか環境によって「今書けねえよ」みたいなことも出てくるから。

R:そういう揺れの部分とか腹括ってる部分とかも全部(アルバムに)出てるかな。

 

  • Rさんのアルバム新曲に対する思い

松:新規曲書き始めた時にすごい揺れてたよね、Rさんは。ほんと最近までバッド入ってたよね。

R:そうやな、書き始めてからがかなりバッド入ってた。

 

R:既発曲は1~2か月に1曲くらいできていった感じ。その状況状況で出してたものが確実に変化してたから、(アルバムは)それの骨組みプラス今まで自分が書いてきた作品に対してアンサーするみたいなことを最初はやろうと思ってたんすよ。

 

どういうアルバムにするかの会議の時に『さよならたりないふたり』を見た直後で2人とも食らいすぎていた。

 

R:自分が過去に書いた言葉とかを真正面で受けすぎた。今変わっていってる中で出てくる矛盾とか、「あの時言ってたことと今違うやん」とか「っていうことは、あの時点からちょっと違うスタンスで歌詞書いとった方が良かったやん」とか、すごい自分を勘ぐるみたいな時期がきて。

松:完全に自己否定モード入ってたよね。

R:作詞は自分にとってセラピーでもあるし、自己啓発でもあるんやけど、一歩間違えれば自傷行為にもなるから。

松:なんなら自傷行為の面の方がでかいんじゃないかって思う。

 

R:でもそこを抜けれたのは、あまりアルバムのこと考えずに作ってた既発曲聞いてみたら、充分そこで自分たちの変化とか揺れとかみたいなのは描けてたんよな。改めてそこに立ち返るまでもなく。既発曲で表れてるフレーズとかに昔の自分との最大の変化が出てた。それを無理にまた先に進めることはしなくてもいいんや ってなってからだいぶ楽になったかな。

 

R:既発曲よりもさらに変化せなあかんって思ってて。

松:”今”を書くから時系列的に新しいもの作らないとってなるもんね。

R:でもその新しさって別に1~2か月で変わるわけないから、別の角度のことを既発曲で出したような表現・目線で別の事柄を書けばいいだけやって。今考え直せばすごいシンプルなことやねんけど、そこにだいぶ遠回りして気付いた。

松:でも完全に必要な道ではあるよね。Rらしいなと思ったけどね。そこ真摯に向き合うから。しんどいだろうなと思うけど、正しくあろうというか誠意を込めようとかちゃんと真正面で向き合って考えるじゃないですか。誠意ある人だからちゃんと悩むんだろうけど。

R:いやどうなんやろうな。ちゃんと自分の今までの行いに対してアンサーやったりけじめやったり蹴りをつけなきゃいけないと思ってたんやけど、言うたら言葉を扱うわけですし、俺の主観の表現やから、全部。当然間違ったこともいっぱい言ってるし今も間違ったことはいっぱい言ってんねやけど、それを許されようとすんのもちゃうんやろうなと思ったな。釈明するっていうのもちゃうなと。その時はその時の俺で、今は今の間違いをビビらずに晒すしかないわなって。

しょうがないわ、みたいな。未来の俺から見たら今の俺もツッコミどころ満載やろうし。

 

松:間違ってない瞬間は今後ないし、間違ってない人もいないし。確実に正義みたいなのはないよね。

 

R:知らず知らずのうちに自分も正しさを全うしようとしてしまってた。

松:それが他人じゃなくて自分に向いてるからまあ…人を傷つけてはないけどキツいよね。

R:やっぱだいぶ鋭利やと思ったわ。

松:めちゃくちゃ鋭利。ほんとに。

R:自分に向けてもこんだけキツいんやから、人に向けんとこうと思ったな。

松:ほんとそうよ。保護活動的なこともそうだけどさ、全員がエゴで動いていることを自覚した方がいいよ。何かを救おうとしてる人たちも、すべての命に平等に正しいことをするのって不可能だからさ。自分が愛してるものとか、自分にとって都合のいいものだけ救おうと思って救うというか。

R:不平等に救うというかね。不平等に愛するというかね。

松:そういう素晴らしいことをしているとしても自分のエゴの範囲内でやっているということは自覚した方がいいし、色んな人のエゴで、色んな人の正義の価値観があるから。やっぱり正しいことやってる人って自分が正しくてあっちが間違ってる!って100対0の考え方ってめちゃくちゃ危険だなって。

松:そもそも全生き物って何かにとって外敵で、何かにとっての栄養だってすごい思う。食物連鎖の中にいる時点で何か食って生きるし。

R:そっから外れようとするのもある意味ずるいっていうかね。

 

R:だから俺は改めてアルバムの曲の中にもリリックとしてはちゃんと出てるんですけど自分の加害性みたいなところも。言葉というすごい鋭利なものを扱ってるんやなっていうのをもう一回考えたな。

 

 

 

 

アルバムの話から食物連鎖の話になるかね?ちょっと深すぎた。

普段なにも考えてない人間からしたら難しい話ではあるんだけど、答え合わせするみたいに歌詞カード見ながらアルバム聞いたりするのが楽しい。